制作番組紹介
◆ NHK BS1 ドキュメンタリー「WAVE」
2011年12月24日放送(再放送:12月25日 再々放送:12月29日)
シリーズ ソ連邦崩壊から20年 “英雄”たちのその後~ロシア民主化 20年の苦悩~
1991年8月、ソ連崩壊の渦中で勃発した共産党保守派のクーデター。
徹底抗戦を訴えるエリツィンを勝利に導いたのは、名も無き“英雄”たちだった。
鎮圧を命じられた戦車隊長は、軍令に背いて反クーデターに参加。
ジャーナリストたちは、厳しい報道規制のなかで市民に事実を伝えた。
動乱のさなかで彼らは何を決断し、その後どのような運命をたどったのか。
ソ連崩壊と、混乱の20年をふりかえる。
演出:田中尚
◆ NHK:NEWSLINE
ニッポンのモノづくり力、最先端の技術を世界に紹介する特集シリーズ
2011年11月21日放送
第1回 “イタリアの巨匠が認めた伝統家具”
「Hida Sangyo Co.,Ltd.」飛騨産業株式会社
木製家具作りの常識を覆した技術がある。それは柔らかく、傷がつきやすい「スギ」を加工する「曲げ木」と「圧縮」の技術だ。「スギ」が持つ木目の美しさや温かみを失わず、強度をも併せ持った独自の製法を紹介する。
演出:島 岳志
2011年11月22日放送
第2回 “超薄型芯なしモーター”
「Shicoh CO.,Ltd.」シコー株式会社
指先に乗るほど小さなモーター。携帯電話の振動機能に使われるなど、工業製品に欠かせない。小型化の秘密はモーターに芯がない“コアレス”という技術。既存の原則を打ち破った独創的な発想に迫る。
演出:松井慎太郎
2011年12月14日放送
第3回 “ぬれない傘の秘密とは”
「Fukui Yougasa Inc.」株式会社福井洋傘
雨が降っても“ぬれない傘”。水滴をはじき飛ばし、常に乾いた状態で持ち歩けるという。その秘密はある植物の葉にヒントを得た生地作りにあった。廃業寸前だったこのメーカー。どこにもない新しい傘が会社の未来を切り開いた。
演出:島 岳志
2011年12月19日放送
第4回 “世界の安全を支える強力ネジ”
「Hard lock Industry CO.,Ltd.」 ハードロック工業株式会社
世界一過酷だというNASAの振動試験に耐えたネジがある。それは絶対に緩まないと世界中の信頼を集め、各国の鉄道や橋などに使われている。開発の手掛かりは神社の鳥居にあった。町工場から生まれた技術が世界の安全を守る。
演出:松井慎太郎
◆ 毎日放送:情熱大陸
2011年12月11日放送
“世界でもっとも有名な日本人 オノ・ヨーコ”
~いま、オノ・ヨーコが伝えたいこと~
前衛芸術家、ジョン・レノンの妻、平和活動家・・・
しかし彼女の真実の姿はあまり知られていない。
78歳の彼女が今ハマっているもの、それはツイッター。
実は3.11のすぐ後にも、日本にメッセージを送っていた。
“・・・私の心は、いつでもみなさんとともにあるのだということを知ってください。愛をこめて、ヨーコ。”
「震災で感じたことは?」という問いに、「“悔しい”と思った」と言う。
世界を舞台に活躍する彼女の心の奥にはいつも、日本人としてのアイデンティティが強くあった。
こんなときだからこそと、特別な思いを胸に、忙しい彼女が取材を受けてくれた。
意外とおちゃめでユーモアたっぷり、そして母親のような優しさと温かさを持った、今を生きる
オノ・ヨーコを見て欲しい。
演出:津田友美
◆ NHK BSプレミアム:こんなステキなにっぽんが
2011年12月4日放送
「感謝の心 秋に舞う~徳島県那賀町~」
西日本第2位の高峰・剣山のふもとにある、徳島県那賀町木沢地区。
人口650ほどの小さな山里に、200年以上にわたって大切にされてきた舞台が残っている。
「坂州農村舞台」だ。特産のゆずの収穫が最盛期のころ、五穀豊じょうと家内安全を祈り、地元の人たちによる人形芝居が奉納される。伝統を受け継ぐ若者たちと、先輩の師匠・東正男さん(85)との交流を中心に、郷土芸能を守る人々をみつめる。
旅人:平 常(人形劇俳優)
演出:髙木つづみ
◆ テレビ東京:WORLD BUSINESS SATELLITE(ワールド ビジネス サテライト)
2011年10月5日放送
【特集】広がる「専用メガネ」の可能性
日本でメガネを利用している人は人口のほぼ半分にあたる、およそ6,000万人とされていますが、
低価格メガネの登場で市場規模は年々縮小傾向にあります。
そんな中、新たな顧客獲得に向け、「パソコン用」や「スポーツ用」などシーンごとの機能に
特化した専用メガネの開発に力をいれる老舗メガネ店の「パリ三城」と、追随する「JINS」。
どちらも売り上げは順調です。
今回は、「パリ三城」が新たに開発したゴルフ専用メガネの知られざる開発現場に密着しました。
演出:松井慎太郎
◆ 日本テレビ:スッキリ!!
2011年9月12日放送
きょうのテーマ② “被災地でピアノ”復活 歌手クミコが熱唱
3月11日、石巻でコンサートを行うはずだったクミコ。
その時、とるものもとりあえず、裏山に逃げた。
その後、3日かかって東京に戻った。しかし、その時から心に刺さったとげがクミコを苦しめた。
「私は逃げてきたのではないか?」
だが、3ヶ月後に行われたチャリティーコンサートは、クミコに再起のきっかけを与えた。
「逃げてきた私が、受け入れられるのか?私の歌なんておにぎり一個にもかなわない」そう自問自答し続けながら訪れた石巻。しかし…
「ようこそ、いらっしゃいました」そう迎え入れてくれた石巻の人達の言葉に、心の澱が取れたという。
そして、このことが彼女の心の中に、大きな変化をもたらしたという。
「私にもできることがある」「歌いつづけよう」
さらに、ある出会いが…
石巻で楽器店を営む82歳の店主。
水没し、泥にまみれたピアノを再生させようとする姿だった。
「泥に負けてられない」
そこには、絶望の中でも、希望を抱き、復興にかける人の強さが確かにあったのだ。
「わたし、このピアノで歌います。いや、歌わせてください」
泥に埋まった再生ピアノと共に、そして、地元石巻の人たちと、寄り添いながら、復興を願うコンサートを自ら企画した。
「一緒に歌いませんか?」
クミコが共に歌いましょうと呼びかけたのは、石巻シャンソン同好会。
そして、石巻の未来を担う、石巻市立女子高合唱部の生徒たち。
復興は、その第一歩を踏み出さなければ、成しえない。
その背中を押したのは、大きな歌声だった…。
プロデューサー: 杉本純子
演出: 田中尚
撮影: 戸田統
◆ テレビ東京:日経スペシャル「ガイアの夜明け」
2011年9月6日放送 第482回
シリーズ 復興への道 第12弾 福島を生きる
復興シリーズ第12弾。震災半年の節目は、希望を捨てない、福島の企業たちの闘いを追う。 地元の絆で再生を!浪江町・老舗ショッピングセンター福島県・浪江町にある「マツバヤ」は、30年以上に渡り地域密着型のショッピングセンターを運営。人口2万人の小さな町で従業員200人、年間売上高36億円を誇る。衣料品から靴、バックなど、地元の婦人客のニーズを知りつくした品揃えと、顔の見える対面販売で圧倒的な支持を得てきた。大手のショッピングセンターも、この地域への進出をあきらめるほどだ。しかし、原発事故で状況は一変。原発から8キロの浪江町は警戒区域に...。従業員、客ともども、離れ離れの状況が続いていた。浪江町で商いをすることが、事実上、不可能になってしまったのだ。
そんな状況にあっても、松原社長、総務部長の中里さんはあきらめていなかった。従業員200人の雇用を守り、事業を存続する方法を自らも被災しながらも模索。だが、警戒区域に入り、商圏自体が消滅の危機にある浪江町では、商売はできない。その時思いついたのが、避難所や仮設住宅に散り散りになっている馴染みの客に向けて、ネット通販をするという試み。自分たちが強みを持つ、シニア・ミセスをターゲットにしたネット通販。しかしこれでは200人の従業員を維持するのは難しい。得意としてきた、リアル店舗での対面販売を求める社員との間で、溝が生じてしまう事態に。
原発8キロのショッピングセンターで働いていた200人。どんな選択をするのか。
演出:津田友美 澤田賢一
演出補:松井慎太郎
撮影:大石英男 戸田 統
◆ テレビ東京:日経スペシャル「ガイアの夜明け」
2011年8月16日放送 第479回
日本一ホットな街 ~賑わいを呼ぶ仕掛け人たち~
日本一の屋台村を作れ!市街中心部が壊滅的な被害を受けた大船渡市。飲食店組合の加盟60店のうち実に57店が、津波で流されてしまったという。店主たちには新たに店舗を再開する資金もなく、打ちのめされていた。大船渡飲食店組合の組合長の及川雄右さんは、そんな現状を打破すべく、みんなで屋台村を立ち上げる事を計画。経営コンサルタントを招聘し、共に全国の屋台村を回る。そして、及川さんと船井総研の藤崎さんは「全国のご当地グルメ」による屋台村構想を具体化していく。そこに被災地支援として、名乗り出るところが出てきた。沖縄からは、「琉球島和牛」。副組合長で、大船渡で名だたる料理人でもある新沼参壱さんは、その素材を使って、「500円サイコロステーキ」や大船渡のいかを丸ごとのせた「大船渡イカカレー」などのメニューを考案していく。
難航していた用地選定もようやく決まり、復興の火を灯す「大船渡屋台村」が、いよいよ始動する。
演出:澤田賢一 津田友美
演出補:松井慎太郎
撮影:大石英男
◆ 日本テレビ:NNNドキュメント‘11
2011年7月3日放送
3.11大震災シリーズ8 「一歩だけ前に・・・、届け、祈りの歌声」
3月11日、宮城・石巻市民会館では、シャンソン歌手クミコのコンサートが予定されていた。
しかし、リハーサル中にあの大地震にが襲った。
コンサートのボランティアスタッフの女性…家を流されて2ヶ月は親戚宅を転々とし、最近になってようやく家族とアパート生活を始めた。
シャンソン好きで“銀巴里”というスナックを営んできたママ…家は全壊、店も水没。埼玉の姉の元に身を寄せていたが、石巻に戻る事を考えていた。そして6月11日、地元有志が復興コンサートを企画した。クミコさんに石巻で歌って欲しい…。あの日、聴くはずだったクミコの歌声は、今の彼女達にどう響くのか。険しくとも一歩だけ前に向かって歩み始めた石巻の人々の姿を追う。
演出:田中 尚
プロデューサー:杉本純子
ナレーター:寺田 はるひ
◆ NHK BSプレミアム 「ワイルドライフ」
2011年5月30日放送
「巨大ワニ 知られざる愛と知恵に迫る」
ライオンやゾウなど大草原の動物で知られる、タンザニアのセレンゲティ国立公園。今回の主役は、サバンナの川に潜む巨 大なワニだ。舞台は、セレンゲティ国立公園で最も長い川、グルメティ川。一年中枯れることがないが、雨の乏しい乾期には川幅が狭くなる。そのため、川の中 でも限られた、水が比較的多く残る場所に、多数のナイルワニが集まってくる。ナイルワニは、大きなものでは体長6mに達する、世界最大級のワニだ。水を飲 みに来るシマウマなどの草食動物を虎視眈々と狙う。大型の草食動物を一匹しとめると、大量の肉が手に入るのだ。とはいえ、実際には、そんな機会はめったに ない。だからワニたちは、普段、川でもっと簡単に得られる獲物を捕らえることが多い。
大きな動物を捕らえると、独特の方法で食べる。口を大きく開けて獲物に噛みつき、自分自身の体をぐるぐる回転させて、肉を引きちぎるのだ。 デスロール、「死の回転」と呼ばれるこの行動は、いかにもどう猛な印象を与える。しかし、よく観察すると、実は仲間同士で助け合って食べていることがわかる。
さらに意外な一面を見せるのが、子育てのときだ。は虫類は、普通、産んだ卵の面倒をみない。ところが、ナイルワニの母親は、卵を産んだ巣の 近くにじっと待機し、見守りつづける。地中の卵は数十個。最初の数個が孵り、子ワニが地表に現れると、母親は孵化の遅れた卵を掘り出して、口に含む。口の中で割って、孵化させるのだ。なるべく同じ時期に孵化させて、子ワニを安全な場所に運ぶためだ。その後、数ヶ月にわたって、子ワニを外敵から守る。今回、 そんなワニの愛情溢れる子育ての撮影に成功した。
野生のスペクタクルに満ちたグルメティ川で、巨大なナイルワニが知恵と愛情で生き抜く姿に迫る。
演出:髙木つづみ
◆ NHK教育テレビ:「グラン・ジュテ」シリーズ 大東アリンさん(砥部焼作家)
2011年5月26日放送
淡いパステルカラーの花やサンゴ礁の絵で彩られた大東アリンさんの器。白磁に藍色の唐草模様で知られる愛媛の伝統産業、砥部焼の世界で、独自のスタイルを確立しています。人気砥部焼作家として活躍するアリンさんですが、窯元になるなんて思ってもいませんでした。
出身は、青い海に囲まれたフィリピン・ミンダナオ島。そこで、焼き物の指導のために来ていた直行さんと出会い結婚、日本へとやって来ました。
あるとき、問屋のおばあさんさんから、直行さんの焼き物の絵付けを手伝うよう促されます。しかし、フィリピン育ちのアリンさんは筆を使ったことがなく、砥部焼の伝統的な模様を描くことは難しいと考えます。そこで、和紙を通して色を染み込ませる“和紙染め”という技法で、生まれ育った故郷の風景を思い浮かべながら、気持ちの赴くまま描き始めました。その斬新なデザインと色彩感覚で、アリンさんの作品は数々の賞を受賞。夫婦で新しい作風に挑戦する様子は、当時メディアからも注目され、伝統工芸の世界で一風変わった存在となりました。
ところが突然、アリンさんの幸せな日々が途絶えます。直行さんが原因不明の突然死に見舞われたのです。3人の息子たちはまだ小学生でした。帰国という選択肢もありましたが、子どもたちが住み慣れた日本で生きていくことを選んだアリンさん。砥部焼の絵付けで生計を立てていけないかと考えます。早速、直行さんの代わりに器を焼いてくれる工房を探して回りましたが、見つかりません。“夫と築き上げてきたものを守りたい”、その一心で、自ら窯たきやろくろの技術を習得し、窯元を継ぐことを決意します。
3年ほどで何とかすべての工程を一人でこなせるようになったアリンさん。しかし、「完ぺきなものは作れない。ものの見方がわからない。」プロとして自分の作風に自信が持てないままでした。
そんなとき、彼女に焼き物への新たなまなざしを開かせる出会いが訪れます。伝統的な砥部焼の窯元のご主人から、新たな商品を一緒に開発をしないかという誘い。アリンさんは初めて砥部焼の歴史や伝統的な技法について学び、職人たちの心に触れます。他の陶芸家との出会いの中で、器に必要なものは何かを教えられました。「生活の道具としてシンプルなものが良い。」自己満足の器づくりから、使う人のための器づくりに変わったのです。
この春、アリンさんの食器が、県の玄関口である松山空港にあるレストランで使われることになりました。アリンさんの自由な作風に引かれ、砥部焼の門をたたく若者も増えています。アリンさんが生み出す色彩には、どんな困難も笑顔で乗り越えてきた強さと、家族の幸せを思う優しさが凝縮されています。
演出:津田友美
◆ テレビ東京:WORLD BUSINESS SATELLITE(ワールド ビジネス サテライト)
2011年4月18日放送
【特集】iPS細胞ビジネス -新薬開発が変わる-
2006年、京都大学の山中教授達が、からだのあらゆる部分になれる万能細胞であるiPS細胞を作ることに成功して世界を驚かせた。
日本で初めてそのiPS細胞を使ったビジネスをしているのがベンチャー企業「リプロセル」。新薬開発には10年以上の歳月と平均500億円の開発費がかかり、その多くが失敗にかかるコストと言われている。リプロセルは世界で初めて、新薬開発にかかせない心臓への影響を調べることが出来る心筋細胞の製品化に成功。さらに大阪大学、医療基盤研究所と共同で、iPS細胞から肝臓の細胞を作り出すことに成功し、来年春の製品化を目指している。これにより、新薬開発の時間とコストを大幅に減らす事ができると期待されている。
また、京都大学・中辻教授が、アルツハイマー病(認知症)疾患の神経細胞を取り出すことにも成功。難しいと言われているアルツハイマー病の治療に期待がかかる。
世界の新薬開発や再生医療の可能性に広がりを見せるiPS細胞、その細胞ビジネスの最前線を紹介する。
演出:竹森禎敏
◆ NHK BS1 ドキュメンタリー「WAVE」
2011年4月3日(日)19:00~19:49放送
2011年4月11日(月)0:00~0:49再放送
タイヤにモーターが入るとき~密着!新型電気自動車~
いま自動車産業で破壊的とも言える技術革新が起ころうとしている。その核となっているのは、「インホイールモーター」と呼ばれる新しい電気自動車向けモーター。タイヤにモーターを組み込むことで、これまでの車の概念を全く変えてしまう技術として注目を集めている。トヨタはもとより、専門メーカー、ベンチャーがこぞって開発にしのぎを削る。実用車に向け、問われるのは、法規に則った「安全性」「耐久性」「信頼性」の確立だ。
そのインホイールモーターでもっとも先進的で、世界に先駆けて実用化に向けた開発を行っているのが、慶応大学清水浩教授率いる大学発ベンチャー企業シム・ドライブ。従来の車開発では考えられないおよそ3年という短期間、さらに異分野の34の企業、自治体に参加を呼び掛け、技術をオープンにして大量生産に向けた第一号試作車の開発が進められている。参加企業は2000万円の参加費で、インホイールモーターの技術を手に入れ、それぞれが得意の分野で新たな電気自動車産業を立ち上げることができる。
番組では、1号車完成までの開発過程に独占密着。日本の基幹産業とも言える自動車産業に、新たな技術革新は起こるのか?清水教授の取り組み、開発に関わる技術者、様々な産業界から協力を名乗り出た企業の動きを追いながら、大手メーカーには不可能と言われる、破壊的技術革新へ挑戦と新たなビジネスモデル構築のドラマを追う。
演出:澤田賢一
撮影:大石英男 戸田統
音声:川崎修 浜本瑞樹
演出補:杉田郁子
プロデューサー:松井秀裕
◆ テレビ東京:日経スペシャル「ガイアの夜明け」
2011年3月29日放送 第461回
ライフラインを守れ!~震災支援19日間の総力戦~
想像を絶する大惨事となった東日本大震災。東北、そして関東の被災した人たち、さらには余波で影響を受ける首都圏の人たち。多くの人たちの生活をいかに取り戻し、いかに守るか…現場の闘いを追った。地域の足であるバス会社、いまや生活インフラの要となったコンビニエンスストア、さらには計画停電で揺れる首都圏の介護施設、そして被災地の病院を支援する東京の医療チームを密着取材する。
【生命の危機に立ち向かえ!】
東京電力の計画停電という前代未聞の事態に、首都圏の家庭や交通機関は大混乱に陥った。しかし、最も切実な現場となったのが、在宅医療、訪問看護の現場だ。人工呼吸器や吸引機を使う患者にとって停電は、命が失われることにも繋がりかねなかったのだ。医療生協さいたまの看護ステーションを取材する。またそこには、被災地へと向かう医療チームがいた。宮城県塩釜にある坂総合病院には、全国から医者や看護師たちが支援にかけつけていた。ひっきりなしに搬送されてくる被災者の診療や、近隣の避難所を歩いて回り、支援活動に当たる毎日。震災から10日目、ガソリン調達の目途も立ち、病院では被害の大きかった石巻へも支援活動を広げようと試みた。津波で流されてきた船や車で遮断された道を迂回しながら、瓦礫の中ようやく避難所に辿り着いた医師たち。ところが、通信インフラが麻痺するなかで、災害医療の難しさが見えてきた。
演出:津田友美 島岳志 原義史
撮影:戸田 統
*共同制作:テレビ東京
◆ テレビ東京:日経スペシャル「ガイアの夜明け」
2011年2月1日放送 第453回
JAL 再建の真実 ~破綻から1年…社内は今~
JAL=日本航空が、経営破綻して1年が経つ。会社更生法の適用を受け、2兆3221億円という巨額の負債を整理してもらい、いま再浮上を目指している。ガイアの夜明けが3年前から継続して取材を続けてきた“JALの行方”、今回は、経営破綻してから1年、会社再建の現場を密着取材した。
JAL再建の現場では、去年末にかけてリストラの嵐が吹き荒れた。従業員の削減計画を達成するため、ついに165人の整理解雇を断行。しかし解雇対象者や労組は反発、東京地裁に提訴し徹底抗戦の構えだ。
この2月1日にJAL会長就任1年となるのが、京セラから迎えられた稲盛和夫氏。この1年は「航空業界では素人」と話し、さほど表立った活動を見せていなかったが、ここへきて独自の経営手法をJALに注入するなど、じわじわと影響力を発揮し始めている。果たして、JALは、カリスマと呼ばれた経営者の下、再建を果たすことが出来るのか。
【稲盛流JAL改革の行方は】
1月19日、JALの新たな経営理念とフィロソフィと呼ばれる経営哲学の発表が行われた。それは「全社員の物心両面の幸福があってこそ、安全も経営も確立できるのだ」という考え方で、稲盛会長が主導した意識改革のなかから生み出されたものだった。この一年、社内では稲盛会長の命で設立された「意識改革推進本部」が中心となって、「稲盛塾」と言われる幹部社員に向けたリーダー研修を推し進めてきた。独特の親方日の丸的体質がはびこったJAL社内に、京セラで実践してきた企業哲学やアメーバ経営と言われる小集団活動など稲盛改革は根付くのか?JAL社内で続くリーダー研修の現場にガイアのカメラが入った。
【「安全とコストの両立」パイロットの意識改革】
意識改革は、これまで“聖域”とされていたパイロットたちも対象となった。
高額の給与は30%カット、深夜早朝を除いて、ハイヤーの送り迎えも全廃され、電車通勤となった。今まで“安全運航”のことだけを考えていればよかったパイロットたちにも“採算”意識が求められている。パイロットが出来る事は何なのか?客にまた次もJALに乗ってもうらえるようにするための地道な取り組みがはじまった。全廃されるジャンボジェットのある機長の葛藤と変革への気づきを追った。
【お客のクレームに変化が!?】
破綻時、お客様サポート室には様々な厳しい意見が寄せられていた。「JALに裏切られた」「税金使って、高い給料をとって」…。入社4年目の女性社員は、厳しい声を前に落胆していたが、とにかく全社員にお客の声を直接届けようと動き出した。そして、最近少しずつ、変化が見られるようになったという。パイロットたちが自分の言葉で機内アナウンスをするようになったことがきっかけだ。
【「整理解雇」の現場は…】
再建に向け社内の意識改革が進められる中、人員整理はどのように行われていたのか。「これまで一度も人員整理をしたことがない」と語る稲盛氏にとっても苦渋の決断が迫られたのだった。大リストラは昨年3月から始まった特別早期退職、さらに9月以降3度にわたって希望退職の募集が行われていた。しかし年末、遂に予定の人員削減数に及ばなかったとして、整理解雇が断行されたのだった。
演出:澤田賢一 津田友美
演出補:川述彰宏 豊福めぐみ
撮影:大石英雄 戸田 統
音声:鈴木裕
◆ テレビ東京:WORLD BUSINESS SATELLITE(ワールド ビジネス サテライト)
2011年1月19日放送
【特集】ジャルパックとジャルツアーズ統合
更生計画によると、JALは110社あった子会社も売却や清算、統合などにより半分に減らす見通しで、厳しいリストラの対象となっています。そうした中、海外旅行はジャルパック、国内旅行はジャルツアーズと分かれていましたが統合で生き残りをかけようとしています。意識改革は進んでいるのか。2ヵ月に渡って追いました。
演出:髙木つづみ