Media Mettle Inc.

Mediaの世界へ 「挑戦」と「創造」

HOME | work 2012

更新日 2019-04-14 | 作成日 2018-02-26

制作番組紹介

◆ テレビ東京:日経スペシャル「ガイアの夜明け」


2012年12月4日放送
シリーズ「ニッポンの生きる道」第7弾 ヒット商品を生み出す ニッポンの農家



●HOKKAIDOスイーツで世界に打って出る酪農家
百貨店で人気の物産展。特に、海の幸も山の幸も豊富な北海道物産展はいつも大盛況だ。その中でひときわ人気を集めているスイーツ店がある。サングラスをかけた牛がトレードマークの「Farm Designs」。北海道の新鮮な牛乳を使ったソフトクリームやチーズケーキ、サブレまで。味はもちろん、牛をおしゃれにデザインした形も人気の秘密。実は、これらはすべてある一軒の農家が作った商品だ。
Farm Designsは北海道・釧路の近く、厚岸郡にある家族経営の酪農家。社長の海野泰彦さん(52歳)は、25年ほど前に脱サラして夫婦で牧場を営み始めた。一から酪農を学んだ海野さん。努力の甲斐あって甘くておいしい牛乳が評判を呼んでいる。そんな海野さんは牧場だけでなく、敷地内にレストランを経営している。自分で作った牛乳を目の前でお客に飲んでもらいたいという思いから。牛乳だけでなく、プリンやチーズケーキなど、夫婦で手作りした自家製スイーツもそろえたところ大好評。百貨店のバイヤーの目に留まるようになり、全国で開かれる物産展に引っ張りだこの人気を博するようになった。現在、従業員は家族4人を中心に10数名。経営から商品開発、売り込みやパンフレットのデザインに至るまで、すべて海野さんが直接タッチする。「僕にとって、北海道の酪農家はかっこいい職業。目の前で直接美味しいと言ってもらうことがモチベーションにつながる」。
 そんな海野さんの元に2年前、ビッグチャンスが訪れた。“シンハービール”で有名なタイの食品会社が、海野さんのチーズケーキをメインにしたスイーツ店を出店したいと持ちかけてきたのだ。南国のタイでは、雪国HOKKAIDOのネームバリューは絶大。担当者も海野さんの作る製品に太鼓判を押し、とんとん拍子で出店が決まった。屋台なら100円程度で満腹になる首都バンコクで、一切れ300円するチーズケーキが飛ぶように売れている。その後、次々に新店舗のプロジェクトが進み、この秋に6店舗目が完成した。この噂は瞬く間に周辺の国々にも広がり、シンガポールやマレーシアなどからもフランチャイズ展開できないかという問い合わせが殺到し始めた。海野さん、今回もフットワーク軽く、新しい市場を求めて飛び立った。そこで待っていた新たな展開とは・・・。
 「ニッポンの農業は世界で戦う競争力がある。農業を6次産業化することが、ニッポンの農業の生きる道なのではないか」と話す海野さん。その挑戦を追う。

●TPPも怖くない!未開拓市場に乗り込むコンニャク農家
コメに続き、高い関税で守られているコンニャク芋。そのほとんどが北関東で生産されている。日本一の生産地、群馬県でコンニャク農家を営む澤浦彰治さん(48歳)。「グリーンリーフ」という農業法人の社長でもある。土づくりにこだわり、有機栽培されたコンニャク芋から作られる手作りコンニャクは、都内のスーパーで、安いものの数倍の値段で売られるほどの品質。さらに澤浦さんは、消費者の意見などを取り入れながら、次々とコンニャク製品を開発している。板コンニャクやしらたきなど定番モノに加え、単身者用の小さいサイズのコンニャクや、お米に混ぜて炊く粒コンニャクなど、その数およそ180種類。澤浦さんが、コンニャクの“6次産業化”を進めたきっかけは、かつて経験した芋の取引価格の大暴落だった。「コンニャクを自ら加工して売れる商品を作り販売すれば、価格決定権もこちらで決められる」。こうして作られた商品は、スーパーだけでなく生協などの取り扱いも好調で、今では日に3000個の商品を出荷するまでに至っている。そんなコンニャク農家を今、大きく揺るがしている問題がある。TPP参加問題だ。コメに次ぐ高い関税で守られてきたコンニャクだが、自由化されれば、これまでにない競争にさらされることになる。当然地元の農協は反発を強めているが、澤浦さんは「TPPの波がやってきたとしても、6次産業化でいい作物とオリジナルの商品を作っていけば十分戦える」と覚悟を決めている。
攻めに転じる澤浦さん。これから海外へ積極的に打って出ようとしていた。手始めにこの秋、フランスのパリで開かれている食の見本市に偵察に訪れた。今ヨーロッパでも空前のヘルシーブーム。有機食品やカロリーの低いものが人気になっていた。カロリーゼロでしかも有機で作った自分のコンニャクには商機がある・・・。そうにらんだ澤浦さんはフランスだけでなく、ポルトガルやイタリアなどにも売り込みを開始。しかし、コンニャク製品はヨーロッパでは認知度の低い食品。現地の人もどう食べていいのかすらわからない。「日本の食べ方を押し付けては、現地に定着していくのは難しい。だから敢えて食べ方は提案しないのです」
空振りに終わったかに見えたヨーロッパ行脚だったが、コンニャク製品の中でも「しらたき」を扱いたいというイタリアの企業が現れた。さっそく担当者がイタリアから群馬に飛び、「グリーンリーフ」の農場や工場をチェック。無事、イタリアで扱われることが決まった。その後、群馬から送られた「しらたき」がイタリア・トリノの健康食品店に並べられた。果たして現地の人に受け入れられるのか。そして美食の国、イタリア人はどんな料理で「しらたき」を食すのだろうか。
これまで“守る”農業の典型だったコンニャクで、敢えて海外へと“攻める”農家、その戦う現場をカメラが追った。


主な取材先:Farm Designs
      タイ・ブーンロード社
      グリーンリーフ
      イタリア・ラフィネストラ社
演出:津田友美
   吉川麻衣子
   澤田賢一
アシスタント:小原 雄


◆ NHK教育テレビ:「グラン・ジュテ」シリーズ 藤岡美樹さん

2012年11月10日放送



最盛期に比べ、生産量が3分の1以下に落ち込む日本酒業界の中で、次々とヒット商品を生み出し今、注目されている一人の女性酒造家が香川県の酒蔵で働く藤岡美樹さんです。
日本酒に果物の風味を組み合わせた常識破りのお酒は、特に日本酒離れが著しい女性のハートをつかむことに成功し、生産が間に合わないほどの人気です。

藤岡さんは、幼い頃からパン作りが好きで酵母菌に興味を持ち、東京農業大学に進学します。
酒造メーカーの跡継ぎとなる大学の先輩の実家を訪ねた時、もろみが発酵する音や香
りに感動。
さらに、搾りたての日本酒の味わいに初めて圧倒され、大学卒業後は、奈良の酒蔵で念願の酒造りを始めます。

入社して5年目。5つ年上の先輩が、酒造りの総責任者である杜氏(とうじ)に抜てきされ、彼女も、杜氏の補佐役、頭(かしら)となります。
杜氏の先輩を間近で見ているうち、杜氏への夢が芽生えます。
当時、長女を出産したばかりでしたが、夫が家に入ると言ってくれたことで、杜氏への夢は募っていきます。

ついに藤岡さんは、周囲の反対を押し切り、神奈川県の酒蔵に転職します。
ところが、その酒蔵の経営は危機的な状態でした。酒蔵を建て直すため、寝る間を惜しんで働きますが、3か月後、あえなく倒産。一度は、酒造りをやめようと決心しました。

そんな藤岡さんに、再び酒造りの機会が舞い込みます。
香川県の酒蔵から、女性目線の新しい日本酒の開発を求められたのです。
藤岡さんは、多くの人に手にとってもらえるような日本酒を作り、酒蔵を長く続かせると心に誓い、挑戦を始めます。

そして、彼女の“グラン・ジュテ”・・・。
藤岡さんは、果物のお酒を苦労の末に完成させます。
さらに、香川県の特産“いりこ”を使ったお酒は、昨年の県のコンクールで最優秀賞に輝きました。
杜氏になる夢はかないませんでしたが、日本酒の新しい魅力を見つけることに生きがいを見つけた藤岡さん。
「20年、30年たっても、日本酒が食卓に並んでほしい」と、挑戦する日々が続きます。


演出: 髙木つづみ


◆ テレビ東京:未来世紀 ジパング


2012年10月22日放送
世界に羽ばたく!ニッポンの技術⑤“世界デジカメ戦争”

■日常の写真はスマホで…
写真と言えば、もはやスマホの時代。手軽に撮れて、すぐにフェイスブックやブログに
UPして、多くの人と楽しむのは日常の風景になった。
プロのスマホカメラマンも登場、撮影したその場でスマホ上のアプリを使って写真を様々に加工する時代がやってきた。デジカメはかつてのフィルム時代のように特別な行事の時にだけ使われる存在となっていくのだろうか…。デジタルカメラの未来はどうなっていくのか。

■世界が注目する日本製新製品がズラリ…フォトキナ2012(ドイツ・ケルン)
9月、ドイツ・ケルンで開催された界最大のカメラ展示会「フォトキナ2012」。
45カ国1200社以上が出展。テレビや冷蔵庫など世界の家電業界は中国や韓国が台頭し、日本の存在感が薄れて来ている。しかし、ここでの主役は日本企業だった。最大の見所はここで発表される新製品の数々。中でも日本企業の動向が注目の的だ。
プロ用の一眼レフに限らずコンパクトデジカメ、ミラーレスの分野でも日本企業が世界
シェア上位を独占。まさにカメラの分野では日本の独壇場なのだ。
ソニーは、デジタル一眼レフの上位機種だけでなく、コンパトカメラにも世界最高の解像力を持つ画像処理能力を持った機種を発表。また、ニコンは今回、SNSと連動する新機種を発表。世界を席巻する日本勢の闘いぶりを紹介する。日本は独走を続けることはできるのか。
しかし、一方で日本の背後に迫ってくるメーカーが…サムスンはデジタルカメラとスマホの機能を併せ持つ新機種を持ち込んでいた。その威力とは…。

■新市場開拓へ…インドで仕掛けるニコンのどぶ板営業戦略
インド、ムンバイで新市場開拓に挑戦するのが、ニコン・インディアの高階弘史社長だ。ニコンがインドに進出したのは2007年。この5年間で2000店舗の販売網を築いた。実はインドには日本のように家電量販店は少なく、街の電気店が小売りの最前線である。
9月中旬、高階社長は街の電気店でオープニングセレモニーを開催。新しくニコンの販売
網のひとつとなった店だ。ニコンは大都市を中心にカメラを扱う店を一軒一軒訪ねながら、地道に販路を切り開いていた。当初は平行輸入による非正規品の販売が横行していたが、アフターサービスやメーカー保証の制度を構築しながら、正規品の流通を増やしていった。
さらにインドでは商習慣からカメラはショーケースの中で展示され、客は手で触る事が出来なかった。販売台数を増やしていくには客がカメラを実際に手に取り、接触する機会を増やした方が得策であるのは自明の理。難色を示す店主たちを説得しながらの営業活動を続いけているのだ。カメラのファンを増やす為に写真教室も開催しながらインドの風土にあったカメラ文化を根付かせる努力がしだいに効を奏し始めていた。
インドでの取り組みから、日本企業のグローバル市場での戦い方が見えてきた。


【沸騰ナビゲーター】 財部誠一(経済ジャーナリスト)
野村證券退社後、3年間の出版社勤務を経てフリーランスジャーナリストに。金融、経済誌に多く寄稿し、気鋭のジャーナリストとして期待される。TVやラジオでも活躍中。また、経済政策シンクタンク「ハーベイロード・ジャパン」を主宰し「財政均衡法」など各種の政策提言を行っている。近著に、「パナソニックはサムスンに勝てるか」「メイドイン・ジャパン消滅~世界で戦える『製造業』をどう守るかなど。


ディレクター:澤田賢一 高木つづみ
                    スタジオディレクター:原 義史
                    アシスタントディレクター:松井慎太郎
                    撮影:大石英男


◆ テレビ東京:日経スペシャル「ガイアの夜明け」


2012年8月28日放送
あなたの知らない“格安航空”の真実

利用者にとってのメリットは、何と言っても格安な運賃。しかし、様々な料金設定が複雑に絡み合い、数千円から数万円の幅が出るという。また、これまでの航空会社を利用する感覚で乗ろうとすると意外な盲点も・・・。
また、都内から成田に移動する手段やその距離も利用者にとっては悩みどころだ。
「成田発のLCCは本当に便利な飛行機なのか・・・」。
乗った人も、まだ乗っていない人も、知らないと損をする・・・・。あなたの知らないLCCの真実に迫る。


演出:田中 尚 宮井 優
撮影:戸田 統
演出助手:杉田郁子





◆ テレビ東京:未来世紀 ジパング


2012年8月20日放送
世界に羽ばたく!ニッポンの技術② 復活“日の丸”ジェット!

YS-11以来の国産ジェットとなるのが、「MRJ(=三菱リージョナルジェット)」。三菱グループが総力を上げて開発するジェット旅客機だ。2015年の就航を目指している。
機体は、座席数70~90席と小柄だが、これは、航空産業の成長市場とされる「リージョナルジェット機市場」をターゲットとしている。取材班は、名古屋のかつて“ゼロ戦”が製造された建物の中で極秘に進む、MRJ開発の現場に入り、100分の1ミリにこだわり「燃費の良い」ジェット機づくりに情熱を傾ける技術者たちを取材した。
そして、いかにしてこの国産ジェットを売っていくのか。その最前線、受注合戦の沸騰現場が、ロンドン郊外で開催された「ファンボロー航空ショー」だ。
ボーイングやエアバスといった巨大メーカーに混じって、売込みを図るMRJ勢。これまで受注では苦戦を続けてきたが、ビッグニュースが舞い込んだ!

沸騰ナビゲーター:前間孝則(ジャーナリスト・元IHIエンジニア)
石川島播磨重工業の航空宇宙事業本部でジェットエンジンの設計に20年間従事。
退社後はジャーナリストとしてYS-11やMRJなど航空分野をはじめ戦後日本の技術史・技術者のノンフィクションを多数発表。主な著書に『なぜ、日本は50年間も旅客機をつくれなかったのか』(大和書房)『飛翔への挑戦 国産航空機開発に賭ける技術者たち』(新潮社)。


演出:津田友美 澤田賢一
撮影:戸田 統  池 俊克
演出助手:松井慎太郎 


◆ NHK国際放送:NEWSLINE

ニッポンのモノづくり力、最先端の技術を世界に紹介する特集シリーズ2012

2012年7月4日放送
第10回 “穀物選別機”



サタケの得意とする先端技術が、「色彩選別」だ。色彩選別とは、センサーで色の違い、異物の混入や品質の劣化などによる変色を判断し、なんと一粒一粒をエアーではじき出す技術を持っている。


第11回 “BUDDA TO SIMULATOR”



医療シミュレーターは、医者の卵が実際の患者の診断や手術を行う前に、トレーニングをする実験台の模型。今回は、世界で初めてトレーニング用に開発された超音波診断用の上腹部モデルの紹介。実際の臓器と比べても、殆どわからないくらい忠実に再現されている。


第16回 “工業用排水洗浄ユニット”

今までの常識をやぶり、フィルターはポリエチレンではなくセラミックを使用した汚染水処理用のフィルター「セラミック平膜ユニット」。このフィルターは、シェールガス発掘の救世主となるかもしれない。


2012年7月30日放送
第18回 “A NEW SPIN TO VOLLEYBALL”



バレーのボールはサッカーやバスケットのボールと比較して、重量が軽いため、空気抵抗の影響を受けやすい。そのため、急にブレたり不規則な変化を起こすという問題があった。バレーボールに六角形の突起をつけると、表面を流れる空気はわずかに乱れ、渦を制御したのだ。


演出:高木つづみ


◆ テレビ東京:日経スペシャル「ガイアの夜明け」

2012年6月26日放送
あなたの知らないアウトレットの真実



アウトレット 差別化戦略の裏側
今年4月。全国で36番目のアウトレットモールが、千葉県・木更津にオープンした。
開業から1ヵ月半が過ぎたいま、不思議な現象が…。朝一番で行列を作る人々がいる。その目的は、「買い物」ではなく「食事」。フードコートにある、千葉県の有名アイスクリームやラーメンを求めてアウトレットモールにやってくる。また、これまでのアウトレットモールになかった、雑貨や生活用品も人気を集めている。
こうした、新しい「仕掛け」で人気を集めるアウトレットモールがある一方、従来型のアウトレットでは、閉鎖に追い込まれるところも…。
いま、乱立するアウトレットが消費者に選ばれ、生き残るための条件とは?それぞれの差別化戦略に迫る。

商品争奪戦が始まっていた・・・
今ではインターネット版のアウトレットモールも続々と出現。モールに出店できない小さなブランドまで、およそ300ブランドのアウトレット品を集め、運営している。
実は、彼らの強みは通常のファッション品サイトと、アウトレットサイトの両輪で運営していること。
通常サイトで売れなかった商品を、即、アウトレットサイトに卸せるのだ。
アウトレットモールの増加と、こうしたインターネットのアウトレットも出現していることで、商品の争奪戦が過熱していた。

「アウトレット専用商品」とは?
そもそもアウトレットでは傷や汚れなど、検品ではねられた商品や、売れ残り商品が、お値打ち価格で買えるというのがそもそものコンセプト。だが、アウトレットモールの乱立で、出店するブランド側も増加。それに伴い、十分な品揃えができない状況が生まれてしまった。
そこでブランドの一部は、あらかじめアウトレットの店に出す「専用商品」の開発に力を注ぎ始めた。
アウトレットモール人気が生んだ、この専用商品。いったい、どんなもの作りで出来上がるのか?
アウトレットの真実に迫る。


演出:島 岳志
   原 義史
   吉川麻衣子

撮影:横山友昭


◆ テレビ東京:未来世紀 ジパング


2012年6月4日放送
我が家に家政婦が来る日~進化する家政婦大国

「フィリピン・セブ航空」、格安航空は出稼ぎ労働者の重要な交通機関だった
関空からマニラ行の乗客の7割はフィリピン人で出稼ぎに来た人たちだった。
マニラ空港では、さらに多くの出稼ぎ労働者が、世界各地へと出発の列をなしていた。

日本のフィリピン人メイドに密着
千葉・舞浜の高島さんのお宅を訪ねると・・・現れたのはフィリピン人の家政婦、ヘレンさん(48歳)。いま、高級住宅地などで働くフィリピン人家政婦が増えている。掃除や料理もお手のもの。ほぼ完璧に家事をこなしながら、ベビーシッターも務める。英語が堪能なので子供の英語教育にも役立っているという。
ヘレンさんが所属しているのは、家事代行サービス、人材派遣をしている「シェヴ」(東京・港区)。およそ230人の家政婦が登録されているが、その半数近くの100名がフィリピン人。日本では家政婦での出稼ぎ労働は認められていないが、ここに所属するフィリピン人は日本人と結婚した在留資格を持った人々だ。フィリピン人が重宝される理由は「明るくて、物を頼みやすい」からだという。実はフィリピン人家政婦は全世界で活躍している・・・。

フィリピン政府による海外就労制度
フィリピンでは出稼ぎ労働は国策として、広く推奨される政策が取られていた。
その総元締めが「海外雇用庁」(POEA)と呼ばれる国の機関。1960年代マルコス政権のころから出稼ぎ政策が推進されてきた。海外に働きに出る場合は、全員がここで労働者として登録する。海外での労働者の権利や人権の保護なども管轄されているのだ。
そして出稼ぎ労働者を送り出すための、職業訓練校「TESDA」(労働雇用省技術教育技能教育庁)も整備されている。ここでは溶接技術からホテルのメイドまで、およそ230種類の職業訓練が行われている。
フィリピン人材育成の虎の穴「TESDA」に密着。そこでは、驚くほどきめ細かな訓練が
行われていた。

フィリピン人船員を確保せよ!日本企業の戦略
日本の海運業は、ギリシャに次ぐ世界第二位の規模を持つ、海洋立国だ。
日本の商船隊を支える船員は約5万人。しかしそのうち日本人は、2600人、約5%しかいない。なんと7割、3万5千人がフィリピン人船員だという。
日本郵船では、優秀なフィリピン人船員を確保するために、2007年にマニラに商船大学を設立した。これからも日本の海運を支えるのは、フィリピン人船員であることは間違いない。

EPAによる日本の看護師、介護福祉士受け入れ
出稼ぎ大国・フィリピン日本はインドネシア、フィリピンなどとEPA(経済連携協定)を結び、看護師、介護士を受け入れている。受け入れの窓口は社団法人国際厚生事業団。明るく、面倒見が良いので、研修先の各施設での評判は良い。しかし国家試験の合格率は、看護師11%、介護士38%と低いもの。日本語が壁になっていると言われている。

特別養護老人ホーム「新横浜パークサイドホーム」
フィリピン人とインドネシア人の研修生を18人受け入れている。来日3年目のラレインさん(36歳)の仕事ぶりや勉強の様子などに密着。研修生たちが“母親”と慕う牧野裕子施設長は「日本語が課題だが、大変活躍してもらっている」という。ラレインさんの入居者たちの評判は上々。同じフィリピン人研修生たちと3LDKのマンションでルームシェアをしながら暮らしている。介護福祉士の場合、3年の実務経験がないと、受験が出来ない。来日3年目のラレインさんは来年1月の試験を目指している。EPAの取り決めは4年間の為、ほぼ一発勝負。受け入れた施設も4年間の「使い捨て」にならないよう、牧野さんたちが独自のテキストを作りながら研修を進めている。


演出:澤田賢一
   津田友美
撮影:大石英男
演出助手:松井慎太郎
スタジオ演出:原 義史
アシスタント・プロデューサー:杉田郁子





◆ NHK教育テレビ:「グラン・ジュテ」シリーズ 何森亜由美さん

2012年5月19日放送



乳がんを早期に発見し、乳房を失う女性を減らしたいと力を尽くす1人の女性。彼女は、これまで“見逃されてきた乳がん”を超音波で発見する独自の手法を発表し、今乳がん医学界で注目を集める専門の医師です。
現在、日本の乳がん診療の最先端である「がん研有明病院乳腺センター」の診断医として診断実績を積み、去年その手法についてまとめた論文を発表。がん研の“2011度 最優秀英語論文賞”を受賞しました。
「人を救う」とは何なのか、自らの仕事と生き方を問い続ける女性の飛躍の物語です。


演出:髙木つづみ


◆ NHK国際放送:FORWARD

2012年4月13日放送
#17 「On Edge at Home」

For 35 years, Shima Company has refined its technology for recycling motor vehicles.
The situation in Fukushima, however, put the company in dire straits.
Its facilities are located just 500 meters outside the 20 km exclusion zone around the nuclear plant. After only a month's evacuation though, staff members returned to get back to business.
A high school student also decided to stay in the city and work for the company. The program documents the efforts of people struggling to restore their hometown.


ディレクター:津田友美
撮影:佐々木秀夫


VOD
http://www.jibtv.com/jp/special/forward/en_vod.html


◆ テレビ東京:未来世紀 ジパング


2012年3月19日放送
沸騰の現場 到来!豪華クルーズ時代

イタリアの巨大なクルーズ船に、未来世紀ジパングのカメラが入った。その姿は、全長333メートル、地上18階建て、まるで海上を浮遊する巨大建造物だ。中に入るとそこには、超高級ホテルに迷い込んだような豪華絢爛な世界が広がっていた。螺旋階段には、まばゆいばかりのスワロフスキーの宝石、ディナーは本格イタリアンのフルコース、夜な夜な開催される豪華なショー、なんとフィットネスクラブまで…しかも、4000人の乗客定員がいっぱいだという。
さぞかし富裕層ばかりがいるのかと思いきや…そこにいたのは、ほとんどが子連れのファミリー、豪華なのに意外にその料金は比較的安く設定されていた。たとえば、フランス・イギリス・スペイン・モロッコなどを廻る7泊8日の船旅は、一泊11000円程度から、しかも、食事は3食無料だという。
沸騰しているのは、船の上だけではない。クルーズの大きな魅力のひとつが、観光地への寄港だ。降りたった町を気ままに散策し買い物をする。これは町にとっても、お金は大きな経済効果だ。
さらに驚くべきは、この豪華クルーズ、もはや地中海やエーゲ海だけの話ではないという。その波は、クルーズ後進国と言われている日本にも押し寄せている。カメラは、日本のクルーズ船「飛鳥Ⅱ」に乗り込み、その実態をとらえた。


【沸騰ナビゲーター】
池田良穂(大阪府立大学大学院工学研究科長・教授・観光産業戦略研究所所員)

演出:田中 尚
撮影:戸田 統
アシスタント・プロデューサー:杉田郁子










◆ テレビ東京:日経スペシャル「ガイアの夜明け」


2012年3月6日放送
復興への道

【福島・浪江町…原発8キロのショッピングセンター 再生の闘い】
福島原発から8キロの距離にあったショッピングセンター「サンプラザ」。その運営会社「マツバヤ」社長、松原茂さんは200人の従業員の雇用を確保するため、まずはネットショップの開設を模索。その模様は番組でも放送した。この試みはその後どうなったのか?松原社長が考案したのは、「顔の見えるネットショップ」。相双地区で客に顔の知られたサンプラザの店員自ら商品説明をする動画を、ネット上に置こうというものだ。問屋やメーカーと新たなビジネススキームを作りに奔走していた。更に松原社長は「福島の企業として福島の県産品を売る義務がある」と考え福島の農作物を加える決意をする。
順調に進むネットショップの開設。一方で従業員たちは物足りなさも感じていた。仮設住宅で暮らす人々を訪ね歩く中で、思いついたのが仮設住宅への訪問販売。孤独にしている高齢者も多いので、安否確認も出来る。いわばご用聞きだ。手応えを感じた従業員たちは、社長にある提案をする。それは実店舗の立ち上げ。再び福島で店舗を開きたいという社員たちの思いに、松原社長はどう応えるのか…。


演出:島 岳志 原 義史 澤田賢一 津田友美
撮影:大石英男 戸田統
AD:松井慎太郎























◆ テレビ東京:日経スペシャル「ガイアの夜明け」


2012年2月28日放送
ニッポン“格安航空”元年 ~テイクオフ前夜 その全貌とANAの戦略~

●日本にも本格的なLCC時代が到来へ・・・
すでに日本の空には海外勢のLCCが就航している。その代表格が、マレーシアを拠点にアジアで急成長する
「エアアジア」や、オーストラリアを拠点とする「ジェットスター」。
さらには中国や韓国勢などが続々と乗り入れている。
 日本勢として先頭を切って3月に就航するのが、ピンクの機体が話題となった「ピーチ」。それに続くのが、「エアアジア」とANAが組む「エアアジア・ジャパン」だ。成田を拠点に8月に就航予定。急拡大する「エアアジアのビジネスモデルをそのまま日本に移植しようという戦略だ。
さらにJALも、ジェットスターと組んで、新しい格安航空を立ち上げた。「ジェットスター・ジャパン」は、IT業界から女性CEOを抜擢、他社よりも絶対安い値段でチケットを提供する戦略で勝ち残りを図る。成田空港を拠点に7月開業を目指している。
 世界でみるとLCCはすでに航空市場の3割ほどを占めるといわれているが、日本はわずか数%。いよいよ日本でも本格的な格安航空時代が到来する。

●日の丸LCC第一号「ピーチ」 テイクオフ
関西国際空港を拠点に、日本初の本格的LCCとして誕生するのが「ピーチ」だ。全日空が33.4%を出資し、3月1日の就航を目指している。現段階で関空-福岡、新千歳など8路線に就航することが決まっている。開業キャンペーン価格は関空~千歳・福岡が片道250円と関係者の度肝を抜いたが、通常の最安運賃は関空~福岡線で3780円。それでも大手の数分の1の低価格で勝負する。
その先頭に立つのが、井上慎一社長。かつてはANAのアジア戦略室長だった人物だ。4年かけてコンセプトから具体的な事業計画まで練り上げた。目指すコンセプトは「空飛ぶ電車」。長距離バスで移動する人や鉄道を乗り継いで旅行する若者など、「これまで飛行機に乗らなかった層を掘り起こしたい」と奮闘する。
そんな井上さんの元に集まったのは、航空会社だけでなく、コンサルティング会社や家電メーカーなど他業種からやってきた社員たち。客室乗務員も、敢えて応募制限を無くし、サービス業に向くかどうかの基準で選んだという。事実、子連れの主婦も採用されている。これまでの航空会社の常識を取っ払いたいという狙いからだ。
 LCCとはいえ安全面にかかるコストは譲れない。しかしそのほかの部分は徹底的なコストダウンが求められる。さらに低価格だけでなく、ピーチならではの特色も出していかなければ、今後激化する一方の競争を勝ち抜けない…。3月1日のテイクオフを目指して、全社一丸となった取り組みが始まった。その内部を独占取材する。

●LCCとの共存共栄はあるのか・・・ANAの取り組みと勝算
ANAは、「ピーチ」に加えて「エアアジア・ジャパン」にも出資する。しかも傘下のLCC2社は国内線に就航するため、ANA本体と客の奪い合いが起きる可能性もある。
どうやって棲み分けを図っていくのかが最大の関心事だ。
ANAは、既存の客や丁寧な接客を求める客、ネットワークの利便性に利用価値を認める客はANA本体が対応し、これまで飛行機を利用しなかった客層をLCCが掘り起すので食い合いは起きず、多面的に需要を取り込むことができるというのだが、果たしてうまくいくのだろうか?そして本音はどこにあるのか・・・?
ANAの内部でひそかに進む、棲み分け戦略の全貌を浮き彫りにする。


主な取材先:全日空
      ピーチ・アビエーション
      エアアジア・ジャパン
      ジェットスター・ジャパン
演出:澤田賢一 津田友美



◆ テレビ東京:未来世紀 ジパング


2012年1月16日放送
砂漠に出現!脱石油の超未来都市

石油埋蔵量、世界第5位のアラブ首長国連邦。7つの首長国のなかで長男ともいえる
アブダビに沸騰現場があった。
去年3月、アブダビを拠点とする「エティハド航空」が念願の成田便(週5便)を就航させ日本への進出を果たした。ファーストクラスは個室。日本人シェフが機上で調理した懐石料理が、日本人CAによってふるまわれる。
きめ細かな気配り、ゴージャスなサービスが評判を呼んでいる。この飛行機が乗客を導いた先にあったのは、世界が注目する未来都市「マスダールシティ」。
潤沢なオイルマネーで潤う石油大国アブダビ。その資金はCO2ゼロを目指し、再生可能エネルギーを中心とした、壮大なプロジェクトを推進に向けられていた。
完成予定は2024年。太陽光などの新エネルギーで全てまかなわれる未来都市だ。
最新設備を備えたビルが立ち並び、小型無人ビークルが走るなか、着々と建設が進む。
やがては枯渇する化石燃料の時代を見越して、世界に先駆け再生可能エネルギーの一大拠点を建設し、世界中から最先端の技術を結集し、最新の生産設備を持つ産業国家を目指そうという狙い。

マスダール計画には世界の強豪企業がその主導権を握ろうとうごめいている。
そんななか、中東から日本企業に向けた期待値は大きい。
日本の技術力が存在感を示し、世界をリードすることはできるのか?その沸騰現場に迫る。


デイレクター:澤田健一
撮影:大石英男





◆ テレビ東京:WORLD BUSINESS SATELLITE(ワールド ビジネス サテライト)


2012年1月9日放送
【特集】着物ビジネス最前線

1993年に1兆3千億円だった着物の市場規模は年々縮小し、2008年時点ではおよそ、4000億円と大きく落ち込んでいます。
その中で敢えて着物でビジネスを拡大するという企業を追いました。
一つの企業は全国に407店舗展開する「スタジオアリス。」売り上げの半分を着物を着ての写真撮影で上げています。
そして、他社との差別化を図るために、8割の着物を自社で製作。ベッキーさん浅田真央さんとタレントとコラボしたオリジナルブランド着物を作っている。
そして、着物製作には、最新の”技”が隠されていた。
なんと、スタジオアリスが作る着物の2割がインクジェットでプリントアウトした着物。斬新な色や形が手染めの半分の時間でできあがるといいます。
そして、もう一つの企業が、「たんす屋」が展開する若者向け着物を売る今人気の「Tokyo135°」。
人気の秘密はその価格。リサイクル着物であるためなんと従来の10分の1程度で購入できるのだ。
社長である中村さんは、戦後から56兆円の着物が売れており、40兆円の着物が全国のたんすに眠っているという。
全国の着物を掘り起こし、どのような方法で店頭に上っているのか、番組ではたんす屋さんに密着しました。


主な取材先:スタジオアリス
      たんす屋
   演出:高木つづみ