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更新日 2019-04-14 | 作成日 2018-02-26

制作番組紹介

NHK BS世界のドキュメンタリー

 <シリーズ中国>
  『中国 改革開放はこうして始まった』
   BS-1 12月15日(月)午後9:10〜10:00 前編 (METTLE)
  BS-1 12月16日(火)午後9:10〜10:00 後編 (NHK)
  BShi 12月22日(月)午後8:00〜 前編・後編
   1978年12月にトウ小平が始めた改革開放政策。それから30年、
  中国は驚異的な発展を遂げ大国への道を歩み続けている。
  国内経済体制の“改革”と外国資本への“開放”は、共産党中国建国以来の
  大転換だったが、その舞台裏では熾烈な権力闘争が繰り広げられていた。
  関係者の証言、そして新たに公開された資料と貴重な記録映像をもとに、
  改革開放の総設計師・トウ小平の知られざる闘いを前編と後編2回に分けて
  描く。

日経スペシャル「ガイアの夜明け」 9月16日放送 第331回

新しい旅をご提案 〜旅行離れで変わるツアー開発〜

原油の高騰、景気の冷え込みで今年の夏の海外旅行は落ち込んだ。しかし、ツアーをめぐる状況はそうした短期的な問題より、もっと深刻な課題を抱えている。かつて人気のあった団体旅行は個人旅行へと流れ消費の多様化が進む一方、20代の若者たちの旅行離れが確実に進行しているのだ。こうした事態に、危機感を募らせる旅行会社。新たな旅の楽しみを開発しようと動き出した。海外の秘境ツアーを手がけてきた旅行会社が目を向けるのは、日本の名もない地方の観光資源。そして、若者たちから意外な人気を集めているというバスツアー。はたして、旅行離れを食い止めることができるのか、新しい旅行のスタイルを打ち立てようと模索する取り組みを追う。
【旅離れの若者たちに人気の意外なツアー】
2007年度の日本からの海外旅行者数は1729万人で、前年、前々年度から下落傾向が続いている。中でも、若者の海外旅行離れが顕著で、この10年間で35%も減ってしまった。変わり行く若者たちの実態はいったいどうなっているのか。実は、海外旅行に行かないどころか、パスポートさえ持っていない者が多いという。さらに、ガソリン高騰で車を控えるという人が多い中、そもそも運転免許を持っていないという若者も増えている。生活スタイルの価値観が多様化し、とらえ所のない今の若者たち。しかし、意外な人気を集めるツアーがあった。それは、国内の、しかも日帰りバスツアーだ。平日はスーツ姿の会社員であふれる新宿のビジネス街は、週末の朝になると一変し、日帰りバスツアーを利用する若者たちでにぎわっている。
HISでは3年前、中高年や団塊世代を対象に日帰りバスツアーの取り扱いを始めた。しかし、ふたを開けてみると若者が殺到した。運転免許やパスポートを持たない若者たちが気軽に参加出来るとして思わぬ人気を呼んでいるのだ。3連休に3日間連続で「日帰りバスツアー」をハシゴする人も出現。これまでなかった旅行傾向にHISはビジネスチャンスを見いだした。若手社員で「日帰りバスツアーチーム」を組織し、若者たちのニーズを掘り下げるため、試行錯誤している。リーダーの鮫島さんは「安い料金設定にどれだけお得感、付加価値を加えられるかが勝負」という。果たして、若者たちの旅行離れに歯止めをかけることはできるか。
【目的特化型ツアーに活路を見出せ】
海外パッケージツアー「ルックJTB」を主力に高度経済成長から飛躍的に伸びた海外旅行ブームを牽引して来た「JTB」。しかし、この最大手ですら、国内、海外共に"旅行"が頭打ちとなった今、新たな旅の模索を迫られている。そのひとつの試みが、「目的特化型ツアー」だ。健康や環境など、目的を明確にし体験的要素を取り入れることで、旅に縁のなかった人たちを取り込もうというのだ。JTBグループが企画するのは、女性をターゲットとした「禁煙してキレイになる」や、メタボ対策プログラムを実施する「男をみがくシリーズ」など、"健康"に興味のある人々をターゲットにしたツアー。目的特化型ツアーは、新たな客層を発掘して、定着していくのかを探る。
【眠れる観光資源を発掘せよ!】
世界の秘境を舞台に独自のツアーで人気の旅行会社がある。「自転車で行くチベット」や「キャンピングカーでオーストラリア1周5ヵ年計画」など、主に海外の辺境での一風変わった旅を手がける「風の旅行社」。そんな旅行会社が最近、目的特化型の国内旅行にも目を向け始めた。受動的なパックツアーは頭打ちかもしれないが、「現地で何かを得たい」という人々の知的好奇心をくすぐる旅のニーズは確実にあるはず…。現在、実施しているツアーは、"相模湾で漁師さんに同行しての蛸壺漁体験"や、"自転車でめぐる深夜の東京散歩"、"日本一のリサイクルを確立している山形県長井市の農家体験"など。従来の旅では考えられないテーマだ。専門的な知識を教えてくれる「講師」がつき、土地に根付く暮らしや文化を体験しながら学べる旅を展開している。
そんな風の旅行社が次に目をつけたのは、福井県の過疎の村。30棟ある集落に住んでいるのは現在2人だけという小原地区だ。村消滅の淵に立つ小さな村だが、この地域は、白山文化圏に位置し、ボランティアの手で古民家の修復作業が始まっている。風の旅行社で企画開発を担当する水野さんは、そんな小原村に観光資源としての可能性が秘められているのではと考え、村を視察することにした。果たしてどんな可能性を見出すことができるのか、また地域の人々はそれにどう答えていくのか。

ディレクター:澤田賢一 原義史 津田友美
構成:福住敬
撮影:加藤実智雄 横山友昭 大石英男
音声:桐生孝芳 島崎靖
オフライン編集:渡辺康介
演出補:高木つづみ
チーフプロデューサー:大久保直和(テレビ東京)
プロデューサー:松井 秀裕
取材先:JTB 
    H.I.S
    風の旅行社

巨大航空会社の苦闘 〜JALは復活するか〜

2008年5月27日放送 日経スペシャル「ガイアの夜明け」第316回


日本の空の顔、「JAL・日本航空」は2005年度・2006年度と2期連続で赤字に転落、有利子負債2兆円を抱え、危機的状況に陥った。運航面でもトラブルが続出し、華麗だったイメージを落とし続けてしまった。社内のゴタゴタも頂点に達し、社長交代を迫るクーデターまで勃発。そんな会社存亡の危機ともいえる非常時に、社長に就任したのが、財務畑を歩んできた西松遙さん(60歳)。巨大航空会社の経営を再建し、利用客の信頼を取り戻すという重責を担った。
 しかし、その再生への道は茨の道だった。西松さんの前に立ちはだかったのは、「国が何とかしてくれる」といった“親方日の丸意識”と、8つの労働組合を抱えるという複雑な社内問題だった。1987年の民営化後、20年経ってもなかなか変わらなかった日本航空特有の問題に切り込むことができるのか・・・。また、信頼を回復し、赤字体質を建て直すことができるのか・・・。折りしも、航空業界は、世界的な航空自由化の荒波が押し寄せる大競争時代を迎えつつある。まさに正念場、崖っぷちからの復活に向かうJAL。その改革の現場を6ヶ月間にわたってみつめた。

【“親方日の丸”を脱却せよ】
 2006年6月に社長となった西松さんが就任早々取り組んだのは、大胆なリストラ。55歳以上の部長級およそ250人と次課長級630人の早期退職を断行、会社全体の若返りを図った。自らの報酬も年収960万円とし、社用車を使わず電車通勤。さらに社内の風通しを良くするために、役員の個室を廃止し、「さん付け」運動と称して、職位で呼び合うことを禁じた。
 そして、避けて通れない課題が、「社員の意識は、内向きが8割、外向きが2割」と西松さんが分析する、社内風土・体質の改革だった。内向きの社員たち、その背景にあるのが、変化を嫌う「親方日の丸意識」と、8つの組合を抱えるという複雑な組織内問題だった。就任早々、客室乗務員9千人の個人情報漏えいの問題が発覚。乗員の労働組合が、このファイルを作成したとして別の労働組合を裁判に訴えるという異常事態となった。同じ社員同士のゴタゴタ・・・、やはり日本航空のお家芸なのか・・・。社内融和への道は果たして・・・。

【パイロット、客室乗務員、地上職・・・社内の垣根を取り払え】
 グループ従業員が5万人にも上る日本航空では、パイロット、客室乗務員、地上職など部門ごとの垣根も高く、他の部署がどんな仕事をしているのか分からない、といった状況が往々にしてあった。
ある日、客室乗務員のもとを、機内用品を準備しているスタッフが訪れた。準備スタッフと客室乗務員が交流を持つのは会社始まって以来のことである。部門間の交流と、業務を見直すカイゼン活動を通して、お互いがまったく無駄な作業を続けていたことを次々と発見する。
 そこから、職場の垣根を取り除き、意識を改革する取り組みが始まった。
 一方、「親方日の丸」意識を捨て、利用客に顔を向ける、その方策の目玉が若返り人事。クアラルンプール支店長の久利生道郎さんは45歳。これまで海外の支店長は退職前の部長クラスがほとんどだったが、社内改革による抜擢だった。久利生さんはまず、お得意様である地元の日系企業をまわりJALへの不満をヒアリングした。それによって成田に早朝到着する便の機内食についての問題があることを発見した。実は20年も前から問題になっていたにも関わらず、手がつけられずに来たことだった。お役所体質の壁を壊しながら、問題解決を図ろうとする過程で、これまで見えていなかったサービスの実態が浮かびあがる。社員達はそこからJAL再生の道を見出すことができるのか。 

【トラブル発生・・・その時社内は】
 2月16日、思わぬトラブルが発生する。JAL機が新千歳空港で管制官の指示を違反し離陸しようとしたのだ。さらにわずか半月後、今度は小松空港で同じように滑走路進入に関するトラブルが発生。西松さんには、運航トラブルが続発し国から事業改善命令を受けた3年前の悪夢が蘇る。直ちに、トラブルの原因調査に着手した。その結果、2つのトラブルは、ともに機長席に訓練生が座っていた時に起きたていた。実際の路線での訓練は法律で定められていて、そのこと自体は問題ではないが、同じような状況で、続けてトラブルが発生するということは、訓練の仕組みのどこかに問題が潜んでいる可能性があった。安全担当の岸田専務は、安全対策のためのワーキンググループを立ち上げた。そしてそれは、日本航空としては画期的なものとなった。4つの乗員労働組合に参加を求めたのだ。経営サイドと労組で対立が根深い日本航空では、安全対策とはいえ経営サイドの会議に、労組に属するパイロットなどが参加することはなかったのだ。
 一方、若手機長たちは、このトラブルをきっかけに、運航部門と他部門の壁を少しでも取り払おうと動き始める。トラブルの原因を説明するため、地方の支店に自ら出向いていくといった活動を始めたのだった。これまで職人集団として特別な存在だった機長たちが、社員の一人として交流することで社内の一体感を強めようと考えたのだ。

ディレクター:島岳志 竹森禎敏 澤田賢一 津田友美
構成:福住敬
撮影:横山友昭 大石英男
演出補:高木つづみ
チーフプロデューサー:大久保直和(テレビ東京)
プロデューサー:松井 秀裕
取材先:日本航空関連リンク

証言でつづる現代史「世紀の外交 米中接近」

2008年 3月 9日 放送 BSドキュメンタリー

1972年7月、アメリカのニクソン大統領が中国を訪問し、世界に衝撃を与えた。20年あまりにわたって敵対していた両国は、どのようにして歩み寄ったのか。機密解除されたアメリカの外交文書、中国が撮影していた未公開映像、そして、関係者の証言をもとに2回シリーズでその真相に迫る。
前編は、1971年7月にキッシンジャー国家安全保障問題担当大統領補佐官が北京を極秘訪問するまでの、米中の水面下の交渉を
追う。
後編は、1971年7月のキッシンジャーの極秘訪問から翌年のニクソンの公式訪問までの間に会談で繰り広げられた米中の激烈なかけひきを追う。

ディレクター:下嶋鐵 島岳志
取材;佐古純一郎 中里雅子
リサーチャー:柳原緑
コーディネーター:野口修司 張景生
         アミン・ウラー・ベイグ
         ボクズワフ・ピンドゥル
編集:佐藤友彦 吉田秋一 吉岡雅春 氏居早苗
プロデューサー:松井秀裕

大空の格安競争 〜国際線で巻き起こる低価格旋風〜

2008年1月29日放送 日経スペシャル「ガイアの夜明け」第299回

「シンガポール=ホーチミン260円」、「バンコク=クアラルンプール1500円」…。これは電車やバスではなく飛行機、しかも国際線の運賃。いま世界の空を驚きの低価格で飛ぶ航空会社が急速にその勢力を伸ばしている。LCC=ロー・コスト・キャリアと呼ばれる格安エアラインだ。欧米や東南アジアでは年々シェアを伸ばし、いまでは全体の30%を越えるまでに成長している。飛行機がまさに普通の乗り物として飛び交うようになり、世界の人々のライフスタイルやビジネス環境も劇的に変わり始めている。

そして日本の空にも、ついに格安航空会社が路線を開こうと動き始めた。日本の空を狙う格安航空会社、その低価格の秘密はどこにあるのか、安全面は大丈夫なのか、また航空行政、国内の航空会社はどのように受けて立つのか。その最前線の動きを追いながら、大競争時代に入った世界と日本の空の激動を描く。日本も飛行機がバスや電車のように気軽な感覚で乗れる時代が来るのだろうか。
【シドニー往復2万円!日本に殴り込みをかける格安航空会社】
関空〜シドニー往復2万円。この価格破壊(期間限定)を実現したのはオーストラリアのジェットスター。カンタス航空が100%出資する子会社でメルボルンを拠点にオーストラリアの国内線を中心に運航している。低価格の秘密は徹底したコスト削減。アラン・ジョイスCEOは「日本の国土交通省の規制のなかで最も安くした」という。実は日本には値下げを制限する取り決めがある。現在、関空とセントレアで就航するジェットスターはそれでも「来る日本の開国」に向けて今度は成田就航を目指している。
去年暮れ、「ビバマカオ」という見慣れない機体がマカオから成田空港に飛来し、乗客を乗せて再びマカオに向かって飛び去っていった。実は、このビバマカオこそが、はじめて成田にやってきた格安航空会社だった。現在、マカオを拠点に、東南アジアなど5都市を結んでいる。ビバマカオが成田初就航を果たした陰には、日本の代理店の助力があった。「エア・チャーター・インターナショナル」は航空会社と企業や旅行会社の間を取り持ち、チャーター便を運航させるのを主な業務にしている。海外の格安航空会社の躍進を目の当たりにしてきた社長の大林佳弘さんは、一昨年12月に初飛行したばかりのビバマカオといち早く代理店契約。成田での運航を目指して来た。しかし、大林さんは日本では、海外と同じような形での格安航空会社は成り立たないと考えている。成田の発着料は世界でも有数の高さ、発着枠そのものの空きもない。そこで大林さんが考えだしたのは「チャーター便」による運航だった。果たして、この手法で日本に根付いていくことができるか。
【世界一低い運航コスト〜エアアジア】
マレーシアのクアランプールを拠点に東南アジアで大旋風を巻き起こすエア・アジア。「誰でも乗れます」をキャッチフレーズに“大衆の足”となり、ASEAN域内での活発な人の流動が見られるようになった。乗客者数は毎年3割以上増えていると言う。これまでバスしか利用したことのなかった出稼ぎ労働者が飛行機を使って出稼ぎに出たり、今まで飛行機など乗った事が無い人々がクリスマス休暇で家族旅行したりするなど、人々のライフスタイルやビジネスを変えた。
CEOのトニー・フェルナンデス氏は元ワーナーミュージックの役員で、2001年に低迷していたエア・アジアをわずか1リンギット(約34円)で買収した。創業当時は業界を知らない青二才とも言われたフェルナンデスは、たった2機の飛行機からスタートしたが、今では64機、アジア各地に80路線を持つまでになった。パイロットまでが清掃や荷物下ろしを手伝うなどの徹底的なコストダウンで、乗客一人を1キロ運ぶのにかかる費用は2セント未満。これは世界一低い運航コストだ。
そのエア・アジアが次に狙うのはASEAN地域を越えた長距離路線の運行だ。就航を目指すのはオーストラリア、ヨーロッパ、中国、韓国・・・そして日本だ。規制が厳しく格安航空が参入しにくいと言われている日本の空だが、その戦略とは。
【JAL・ANAの対抗策は・・・】
日本の大手、日本航空と全日空も、近い将来に日本もLCC時代を迎えると判断し、対応に乗り出した。
日本航空は、1990年に設立したJALウェイズがベース。低コストの路線運営を目的に設立された会社で、人件費削減の為、客室乗務員はタイ人が中心。訓練はバンコク市内で行われている。その一方で、JALは、12月1日から国内線にファーストクラスを導入、国際線には、プレミアムエコノミーを導入するなど、高級路線に突き進む。日本では高級なサービスを求める需要が多いなかで、手探りしながら格安航空への対応を描く。
全日空は、山元峯生社長が「格安航空に参入するか検討する」と明言。年明けに「アジア戦略室」を設立し、格安航空への参入の方策などを探っていくとしている。

ディレクター:竹森禎敏 澤田賢一 原義史 
構成:佐藤公彦
撮影:大石英男 加藤実智雄 坂内靖
   戸田統  横山友昭
演出補:津田友美 
コーディネーター:萩原早苗
チーフプロデューサー:大久保直和(テレビ東京)
プロデューサー:松井 秀裕
取材先:ジェットスター(オーストラリア)
    ビバマカオ(マカオ)
    エア・チャーター・インターナショナル (日本)
    エア・アジア(マレーシア)
    シンガポール航空
    日本航空
    全日本空輸
    国土交通省 航空局