毎日放送 情熱大陸
瀧澤克己[ 脳神経外科医 ]
そこに患者がいる限りどこへでも…“神の手”を持つ医師 世界を駆ける
プロデューサー:沖倫太朗・澤田賢一
1965年北海道倶知安町生まれ。旭川医科大学医学部卒業。
1996年に旭川赤十字病院脳神経外科に勤務。「匠の手」と呼ばれ、血管バイパス手術で日本一との定評があった上山博康氏に師事する。
2012年に上山氏が独立すると、脳神経外科部長に就任。
同時に海外での医療支援に取り組み始める。これまで22カ国34都市を訪問。
インド・デリーでは世界でも稀な頭部結合双生児の分離に関わる手術も依頼され、成功させた。
2020年には同病院の副院長にも就任。病院経営にも参画している。
直径1ミリにも満たない脳の血管を縫っていく”神技”…。 脳神経外科医、瀧澤克己の手術は、一片の迷いも感じさせないほど確実で早い。活躍の場は国際的だ。これまで訪れたのはカンボジア、ブラジル、ロシアなど22ヵ国。頼られたら放っておけない性格という瀧澤のポリシーは、「呼ばれたらどこでも行く」こと。
手術中は至って冷静沈着。しかし、一旦手術室を出ると打って変わって饒舌に。どこか飄々とした立ち振る舞いは同僚や患者の前でも一切変わらない。
普段勤務する旭川赤十字病院では副院長も務める。病院経営の仕事をこなしながら、手術や外来診療、当直まで行う。そして休みの日を使って世界中からの依頼に応えている。
しかし、”神の手”は決して一朝一夕に生まれたわけではない。若い頃は手の震えが止まらず、「手術は向いてない」と言われていた。それでも諦めず努力し続けた事で、今では世界から依頼が殺到する名医となった。
そんな瀧澤にインドから新たな依頼が舞い込んだ。「もやもや病」という難病を抱える少女の手術。もやもや病は内頚動脈という太い脳血管の終末部が細くなり、脳の血液不足が起こりやすくなる病気。最悪の場合、脳梗塞を起こす可能性もある。瀧澤は別の血管で新たな血流を作ろうと考えていた。
日本とは全く異なる環境での手術。それでも、いつも通りの結果を出すことが瀧澤の使命だ。
たった一人で異国の地に向かい、困難な手術に立ち向かう脳神経外科医の闘いを見つめた。