テレビ東京 ガイアの夜明け
ニッポンの安全…取り戻せ!~命を守る知られざる戦い~
この夏も近年の気候変動による「想定外」の大雨に見舞われた日本列島。土砂災害が多発し7月、静岡県熱海市では住宅地を巻き込んだ土石流により、大きな被害を出した。浮上したのが”遅れてきた公害”ともいわれる「盛り土」の問題。これを受け、全国に5万ヵ所以上ある盛り土の実態調査が始まった。原因の一つとされる「建設残土」をめぐり、規制を強化する自治体、安全な活用する方法を模索する企業を取材。さらに6月、千葉県八街市で飲酒運転のトラックが通学中の小学生の列に突っ込み、2人が亡くなる事故が発生。”魔の7歳”歩行者の年齢別死傷者で最も多いのが主に小学1年生だ。悲劇を未然に防ごうと、新たな「まちづくり」に取り組む自治体、研究機関、ベンチャー企業に密着。”ニッポンの安全”を取り戻そうと奮闘する人々と現場を追う。
魔の7歳を救え!デジタル標識プロジェクト
こくみん共済coopは保障や共済商品を扱う協同組合。子供の事故をなくす為に「7歳の交通安全プロジェクト」を推し進めていた。手を組んだのが金沢大学。防災を研究する藤生慎准教授は実証実験で、「魔の7歳」の原因を突き止める。既存の交通標識を子供が認識せず、注意力も散漫だったのだ。そこで開発したのがデジタル標識。動くイラストや音で子供たちに注意喚起し、安全を確保しようという。
地域で見守るシステムで事故を減らせ!
全国で10万人が利用している子供の見守りサービスがある。その名も「otta」。福岡のベンチャー企業が開発したシステムだ。社長の山本文和さんは元々ロボットエンジニア。「自分の娘を守りたい」という思いから2014年にottaを設立。山本さんは交通安全の目的でシステムを利用しようと考えていた。テクノロジーと地域の協力で、子供を見守るという取り組みに密着した。
千葉県多古町「盛り土」規制へ独自の取り組み
千葉県の多古町は町のブランドである「多古水」や、その水で作る「多古米」を守るため、不良な土を持ち込ませないよう規制する独自の条例がある。それでも今年6月、町内の盛り土が崩れ、けが人が出る事態に。崩壊した盛り土の現場で何が起きたのか、追跡取材するとずさんな盛り土の実態が浮き彫りに・・・。
環境を守り有効活用 改良土ベンチャーの挑戦
建設工事で出る「建設残土」は、産業廃棄物とは異なり明確な規制がない。埋め立てや盛り土の現場で不法に投棄されるケースもあり問題となっている。そんな残土問題を解決しようと、ベンチャー企業が残土の様々な処理方法の開発に取り組んでいる。20年にわたる研究で、独自の土壌固化材「ドクトール」を開発。環境にやさしく、地震や土砂崩れにも強いという。残土による「盛り土問題」解決の切り札となるのか。