毎日放送 情熱大陸
坂本史衣[ 感染管理専門家 ]
院内感染をどう防ぐのか―「私が医療現場を守る…」
4月7日、安倍首相は新型コロナウイルスの急速な感染拡大を食い止めるために、緊急事態宣言を発表した。この重大な局面に、医療現場では患者の命を救うため、あらゆる手段を講じられている。東京の聖路加国際病院も、その現場の一つ。ウイルス感染で最も防がなければならないのが「院内感染」だ。ひとたび院内感染が発生すれば、すべての医療の機能を崩壊させ、患者と医療従事者の命が危険にさらされる。「院内感染だけは絶対に防ぐ」と、病院の感染管理を一手に任されている女性がいる。坂本史衣、51歳。坂本は病院の感染管理対策を20年近く行なってきた。目下、感染者が入院した時にどうすれば院内感染を防ぐことが出来るのか、感染者の対応手順や導線の確認、病院職員のメンタルケアなどに奔走している。
実は坂本は看護大学を卒業後に看護師になったが、臨床現場が肌に合わず退職。客観的に物事を見る性格が、患者に寄り添う現場に合わなかったという。だが、アメリカに留学した坂本は、そこで感染管理の重要性を知ることになった。病院の‟縁の下の力持ち”として院内感染を防ぐため静かな闘志を燃やしている。今、坂本はこれまでで最も手ごわい‟見えない敵”と立ち向かっている。その奮闘の最前線。