テレビ東京 ガイアの夜明け
頼みの綱は…美味しいパン!
ブームが続くパン。これを武器に”新たな経済圏”を作ろうとする人たちがいる。百貨店の地下にオープンしたのは、広大なベーカリーコーナー。パンの力を借りて、新たな客層を誘い込むという。さらに、地下鉄や携帯会社といったパンとは無縁の異業種も、自社店舗の目玉としてパンを売ろうとしている。ベーカリーの出店ラッシュが続く一方、業界の長年の課題となっているのが長時間労働だ。早朝から重労働をしなくても、おいしいパンを全国に届ける方法はないか。立ち上がったのは、カレーパンで地方活性化を目指す起業家。未経験者含む約100人が集まり、全国にカレーパンのネットワークを作ろうと動き出した。
日本最大級のベーカリー出現! パンが百貨店の“救世主”に?
3月、横浜高島屋に登場したのが、日本最大級のパン売り場「ベーカリースクエア」。約400平方メートルのフロアに40ブランド、500種類以上のパンがそろう。行列のできる有名店から、地元の小さなパン屋まで百花繚乱。毎日1万個以上を売り上げ、3000人が来店する大盛況ぶりとなっている。デパート離れしていた若い客も足を運ぶようになり、パンが百貨店の“救世主”となりつつある。
携帯会社もパン販売に参入? 地方のパンで“新経済圏”が生まれる
一方、パンブームで競争が激化し窮地に追い込まれているのが、地方のベーカリー。岡山市のオフィス街にある「sunny」は、山下哲史さん(39歳)が家族で経営している小さな店だ。オリジナルの惣菜パンが近隣の会社員らに人気だったが、在宅勤務をする人が増えたことでランチ需要が激減してしまった。そこで頼ったのが「パンフォーユー」というベンチャー企業が始めたサービス。地方で作られたパンを都市部で売るというビジネスモデルだ。開発したのは矢野健太さん(32歳)。大手広告代理店で働いていたが、「新しいパン経済圏を作る」という目標を掲げ起業した。始めてみると、パンを集客の目玉にしたい大手デパートからの依頼が殺到。コロナでテナントが撤退している大阪メトロや、auの携帯ショップからもパンを売りたいとのオファーが舞い込んだ。コロナで苦しむパン屋と小売店の双方をつなぐことができるのか…。
「カレーパン」で地方活性化? 働き方を変える新技術
人口5000人あまりの北海道・大樹町に、話題のカレーパン店がある。その名も「小麦の奴隷」。一番人気は北海道産ジャガイモがたっぷり入った「ザックザクカレーパン」。カレーパングランプリ2020で金賞を受賞した一品だ。この人気カレーパンを武器に地方を活性化させようと目論むのが橋本玄樹さん(35歳)。「小麦の奴隷」を全国にフランチャイズ展開し、寂れた地方に賑わいを作ろうというのだ。いざ募集してみると、未経験者を含む100人近くが名乗りを挙げた。さらに、橋本さんは、早朝からの長時間重労働で「ブラック」とも言われるパン業界を変えようと、おいしいカレーパンを簡単に作れる、ある仕掛けを用意していた。